【住宅点検×ドローン】ドローン点検の爆発的メリットと活用事例

近年、多くの業界でドローンの活用が進められています。不動産業界・建築業界では大規模施設などの点検作業へのドローンの活用が進んでおります。

屋根やマンションの外壁、ソーラーパネル、風力発電施設などの高所から、幅広い分野でドローン点検が活躍しています。

事業効率化や安心の観点からメリットの多いドローン点検は建設業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に移行する手立てになる可能性を秘めており、今、注目を集めています。

この記事では、メリットや活用できる場所、活用事例まで、ドローン点検をわかりやすく解説します。

A woman is standing and holding drone
目次

ドローンによる点検!?その理由を三点ご紹介

①人手不足

少子高齢化による労働人口の減少が年々進んでいます。

特に建設業の高齢化に伴う人手不足は深刻な状況にまで達しています。

私たちが日々過ごすビルやマンションの外壁、建物の屋根までマンションなどの大規模住宅や空き家問題などで点検とメンテナンスは不可避です。

この状況で、膨大な数の住宅施設を今までの方法で全て点検することは事実上不可能です。

こうした背景からドローン点検の活用が注目を集めています。ドローンは点検業務を大幅に軽減させる可能性を秘めています。中ドローンの遠隔操作で点検作業が行えれば、技術を持った建築事業者はリモート作業に従事することに重点をおき、1日に点検できる現場の数が爆発的増大します。また、ドローンカメラにより撮影した映像をAIが解析することで、点検作業の効率化も期待されます。

②公共施設・ビルや住宅の老朽化

インフラの老朽化は社会課題として大きな注目を集めています。

例えば公共施設の老朽化。学校など施設の老朽化が進んでおり、天井ボードや外壁のコンクリート片が落下するなどの事故が相次いでいます。

日本豪雨では広島県の砂防ダムが決壊。東京都内でも年間10件を超える水道管の破損事故が起きています

さらに10年前には、9名の命が失われた中央自動車道 笹子トンネル 天井板崩落事故も起きています。

老朽化したインフラを安全に利用していくためには、定期的な点検と修繕が欠かせません。近年では、こうした点検にドローンが活用されており、特に高所などの危険な場所での点検作業を安全かつ安価、効率的に行えるとして、多くの現場でドローンの利用が進められています。高所の点検を行う際、従来では多くの現場で足場を組む必要がありましたが、ドローン点検なら現場にドローンを搬入してしまえば、遠隔地から専門家が操作してドローンカメラにより点検作業を実施することが可能です。予算も人員も足りないインフラメンテナンスへの対策として、ドローン点検が注目を集めているのです。

③ドローンに関する法律規制の緩和  

さまざまな産業でのドローン活用を拡大することを目的に、航空法規則され、ドローンなどの飛行規則が一部緩和されました。

今までは国土交通大臣の承認が必要だった飛行区域でも、一定の条件下では許可や承認が不要となったため、建設業などを中心にドローン点検作業は今後ますます活用が進むと予想されます。

Businessman on dark background holding and touching holographic drone projection in his fingers 3D rendering

ドローン点検の具体的なメリットは何なのか!?今後の業界の取り組みを改革する!?

およそ三倍効率!スピード点検で数をこなす!

ドローン点検は従来の点検方法と比べて、短時間で点検作業ができることも大きなメリットです。

例えば橋梁の点検では、従来は橋の上からクレーンを伸ばして足場を作る橋梁点検車を使って点検作業を行う必要がありました。こうした特殊車両を現地まで運んで技術者が目視で点検を行う作業に比べて、ドローンによる点検は大幅な時間短縮が見込めます。現場での作業時間が橋梁点検車点検は3時間かかるのに対し、ドローン点検では1時間と、約3倍の効率を示しています。

またこの例では、橋梁点検車点検を実施する場合、現場での3時間の作業に加えて作業員の移動時間も発生するため、1人の技術者が点検できる橋梁の数は1日に1~2基が限界です。一方、ドローン点検は短時間で点検が可能なため、1日で複数の現場を回ることも可能です。

もちろん、全てのインフラの点検作業にドローンが活用できるわけではありませんが、多くの高所の点検においてドローン点検は時間短縮につながるため、効率的な点検作業には欠かせない存在となりつつあります。

少人数で点検できる

ドローン点検のメリットには、多くの人員を必要としないこともあります。

国土交通省の事例では、橋梁点検車点検には、点検作業員2名、運転手、オペレータ、安全管理者の計5名が関わっていました。場所によっては交通整理のための警備員も必要となるため、必要な人員はより多くなってしまいます。一方、ドローン点検はドローンパイロットなどを含む計4名で実施されています。

航空法改正でドローン規制が緩和された今、ビルやマンション、プラントや煙突などの建造物の点検などにもドローンの活用が広がっていくことでしょう。こうした建造物の点検も、従来は足場を組んだりロープアクセス技術を使ったりして技術者が高所での点検を実施してきました。こうした点検作業でも多くの人間が関わる必要がありましたが、今後はドローンパイロットを含む少人数での対応が可能となっていくと思われます。

コストを抑えられる

コストを抑えられることもドローン点検の大きなメリットです。

インフラ老朽化対策としての点検を省コストで実施できることは、社会課題の解決につながります。高度経済成長期に一斉に整備された日本のインフラの多くは老朽化問題を抱えていますが、予算不足を理由に多くの自治体が点検・修繕を進められずにいます。公共事業関係費が縮小される中、限られた予算でひとつでも多くのインフラの点検を実施しなければ、いつか大事故につながってしまうかもしれません。こうした背景から、ドローン点検によるコスト抑制に大きな期待が集まっています。

国土交通省の事例では、橋梁点検車による点検は約198万円、ロープアクセスによる点検は約85万円かかったのに対して、ドローン点検では約50万円のコストで済んだとしています。ドローン点検は「安全・短時間・少人数・低コスト」と多くのメリットを持つ、期待の技術だと言えます。

安全に点検できる

ドローン点検には多くのメリットがありますが、点検作業が安全にできることは大きな意味を持ちます。建設業は全業種平均と比べても死傷者数が多く、中でも「墜落・転落」の件数は他の労働災害と比べても突出して多いです。

労働災害発生状況にあるように毎年多くの死亡事故が起きている高所作業ではあるものの、インフラの老朽化に伴い点検やメンテナンスの需要は高まり続けていることから、安全に点検作業が行えるドローンには大きな期待が寄せられています。

2020年の航空法改正により、橋梁や煙突、ビルやマンションの外壁や屋根、風力発電施設など、人が近づくためには危険を避けられない場所の点検が安全に行えるようになりました。建設業は私たちの生活に欠かせない建物やインフラと密接に関わる重要な業界である一方、危険が伴う仕事として若手を中心に人手不足が深刻化しています。安全なドローン点検が進むことで、建設業につきまとう「危険」というイメージが少しずつ払拭されていくかもしれません。

AIと映像解析で効率的な点検ができる

AIによる映像解析の進歩は著しく、正確性が求められる医療用の画像診断でも画像診断医に迫る精度に至っていると言います。今後さらに画像診断技術が進歩することで、より正確で効率的な点検を実現することができるようになると期待されています。

ドローンカメラが撮影した映像をAI (人工知能) が映像解析することで、点検作業を効率的に行えることもドローン点検のメリットのひとつです。AIは人間よりも遥かに早く多数の映像を確認して、異常が疑われる箇所を検知できるため、多数の現場で撮影したドローンカメラの映像をAIがまとめて解析し、人間の技術者のチェックをサポートすることで、効率的な点検が実施できます。

また、ドローンは人が近づくことが困難な場所の映像を撮影したり、広範囲を撮影したり、高性能カメラや光学ズームを利用することで詳細で鮮明な情報が得られたり、赤外線カメラなどを搭載して特殊なデータを得られたりと、人の目だけでは実施しにくい点検も行うことができます。こうして収集した映像もAIの映像解析にかけられるため、幅広い点検をより効率的に行うことができるようになります。

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